現在の建築基準法を守って建てられた家であれば、震度6~7の揺れでもまず倒れることはありません。しかし、現代人の知恵と技術で、より地震に強い住宅が誕生しました。それが耐震住宅と免震住宅です。文字だけ見るとさほど違うように思えませんが、その考え方は正反対。しかしいずれも、地震に強い住宅なのです。
耐震住宅の基本は、建物を基礎としっかり結合させること。柱や梁、壁など、建物全体で地震エネルギーを吸収し、地震に耐えます。地盤を選ばないので、活断層や軟弱地盤でも優れた耐震性を発揮します。
免震装置上の鉄骨土台に建物を載せるフローティング構造をしており、地震時の水平力が基礎より上に伝わりません。そのため地震時の揺れが大幅に減少。震度7の大地震も震度3~4に低減するので大地震時の大きな揺れによる恐怖感も減ります。
どちらも地震に強く、魅力的ではあるものの、一体どっちを選べればいいかわからない!そんな人は自分が家を建てようとしている土地の地盤状態とスペースをよく思い浮かべてください。
免震住宅では免震装置を設置しますが、地盤が弱いところでは正常に働く保証がありません。また、隣地との境界線から建物壁面までに設置スペースを必要とするので、敷地面積の有効利用という面でも劣ります。地盤を選ばず、特別なスペース等必要としない耐震住宅の方が、免震住宅に比べ視野に入れやすい住宅であると言えますが、一方で家自体を基礎にしっかり固定するため”揺れる”という地震時の恐怖は変わらないという側面があります。激しい揺れによる家具の転倒といった危険性も従来の住宅と同じです。